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2012.01.14

歌川国芳展で感じたこと。

1六本木ヒルズの森アーツセンターギャラリーで、幕末の浮世絵師・歌川国芳の作品を集めた一大イベント「没後150年 歌川国芳展」が開かれているので行ってきた。 ワタシはもともと同じ「歌川」姓で「風景の広重、武者絵の国芳」と称された、これも同じ1797年生まれの二人の絵師の仕事には大いに興味を持っていて、オリジナルを観る機会があればゼヒ行きたいと思っていたので、願ってもないチャンス。
会場へ行ってみてまず驚いたのは、その盛況振り。 休日とは言え、チケット購入に延々と並び、会場に入るまでに小一時間掛かったのは予想外。 しかも、来場者の年齢層や性別が実に多彩で、とくに若い人の多さには正直驚いた。
2次に驚いたのは、国芳作品の数。 展示作品リストによれば、その数400点を超え、小さくない展示会場だが、期間中に一度掛け替えを実施し、前期と後期に分けて紹介するという念の入れようだ。
そしてビックリの本命は、その膨大な国芳作品それぞれの持つ圧倒的なインパクト。 着想と筆致の凄さ、緻密かつ細微でありながら、大胆な構成とデザインバランスがカンペキの一言。 日本人の“仕事”に対する徹底した拘りが、図画という平面芸術の中で最大限に息づく様子を目の当たりにした思いだ。 そして、感心したのは、とかくおどろおどろしくなりがちの浮世絵だが、国芳はどんな重く暗めの素材を手掛けても、明るく力強くポジティブな作風に変換してしまうマジックの天才だということ。 いやひょっとして、幕末のお江戸ってートコロは、明るく力強くポジティブな文化・風俗で溢れていたんだろうな、とあらためて思う。
Photo国芳展への大勢の観客は、彼の作品そのものを観て感動したいと思っているだけではなく、そんなパワー溢れる江戸の世に思いを馳せて、“不安”や“怯え”の脅威に晒されている現代生活からの解放を願っているのではないかと感じた。

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