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2011.04.17

ふるさとの、アパート。

PhotoJR中央線・中野駅1番ホームの新宿寄りに立つと目に飛び込んでくる古色蒼然としたアパート群。 この昭和の香りが漂う“団地”の一角がワタシの生まれ故郷だ。 東京都住宅供給公社が建てたこの「中野駅前住宅」は今年でちょうど築60年。 昭和26年に建った4階建てアパートは、戦後の復興を象徴するモダンな住宅として当時は随分注目を集めたらしい。 ただ、六畳と四畳半のタタミの部屋に小さな台所とトイレ、玄関にベランダとひと通り備わっているものの風呂はナシ、といった間取りは、今の感覚では一家族が暮らすにはまるで充分とは言えないスペック。 しかし昭和31年に生まれてこの団地で小学校を終えるまで住んだワタシにとっては、このアパートはまさにかけがえのないふるさと。 狭いながらも、親子4人の団地生活は楽しい思い出に溢れている。
昔の街の面影を常に塗り替えてきた東京において、とくに人の住む都心の建物がここ20~30年で相当数置き換わってしまったことを思うと、このような“東京遺産”が残っていて、しかも、いまも人が普通に住んでいるというのは嬉しい限り。 関東大震災後に整備された、かの「同潤会アパート」ほど有名ではないものの、同様の理念をベースに建てられたであろう昭和20年代のモダンアパートは、先般の地震でもダメージを受けていないように見えた。
エアコンなんかもちろんナシ。 断水は日常茶飯事。 自宅で風呂に入れるなんて夢のまた夢。 そんな日々でも何ら不自由を感じなかったばかりか、とても豊かな日常と思えたのはなぜだったのだろう、とあらためて思う。

Photo_3昭和31年頃、我が家から眺めた国鉄中野駅近辺の様子。
今は中央あたりに中野サンプラザが建っている。

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コメント

懐かしい話ですね

 6畳と4.5畳の二間に一家4名の生活で団地、きっと当時としては先進的なハイカラ族だったのでしょうね。

 考えて見るとこの半世紀で日本は貧乏のどん底から這いあがり、グルメにうつつを抜かす生活に溺れている。

 アンデスの山奥では、今でも縄文時代のような生活をしている人々がいる。日本もここらで、一休みして、此れからの事を考えた方がいいかも知れない。

投稿: jo | 2011.04.22 10:42

joさん。コメントありがとうございます(o^-^o)

そんな家賃3000円の風呂もない超手狭な家に、でかいステレオやらピアノをパズルのようにして置いていたんですから、よ~やってたという感じです。

仰るとおり、日本は少し立ちどまって、人間本来の“豊かな暮し”っていうものをきちんと考えたほうがよさそうですね。

zap

投稿: zap | 2011.04.23 01:12

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