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2011.02.20

祝!内田光子さんグラミー賞受賞。

Photoピアニストの内田光子さんが、第53回グラミー賞最優秀インストゥルメンタル・ソリスト演奏賞を受賞した。
ワタシは、1980年代に彼女がモーツァルトのピアノソナタや協奏曲を精力的に録音していた頃からのファンで、その実力と音楽性に対する評価、とくに本場ヨーロッパでの名声は揺るぎないものとなっていたため、今回の受賞そのものには驚きはないが、アメリカのクリーブランド管弦楽団と組んで収録したモーツァルトの協奏曲演奏が受賞対象となったと聞き、このアーティストのワールドワイドな高評価が更なる高みに登ったように思えて嬉しい。
内田光子さんのソリストとしての実力は言うまでもないが、この人の真骨頂は協奏曲での輝きにあると思う。 ジェフリー・テイトと組んで収録した一連の協奏曲録音は、30歳代の若さからくる潑剌感とベテランの精緻を併せ持つとても素晴らしい音楽だった。
モーツァルトのピアノ協奏曲とピアノソナタの全曲録音を果たした彼女は、その没後200年にあたる1991年にサントリーホールでオール・モーツァルト・プログラムによるリサイタルを数回に渡って開いた。 ワタシもその中の協奏曲とソロコンサートをそれぞれ聴きに行ったのだが、「ソナチネ」にも収録されている第15番ハ長調ソナタですら、内田光子の手に掛かるとこうも緊張感溢れる“大曲”として響くものかと感銘を受けたことを思い出す。
今回グラミー賞を受賞した第23番と24番の協奏曲演奏は、還暦を迎えた彼女が30歳台に達成したモーツァルト全曲演奏の第2ラウンドをクリーブランド管弦楽団との“弾き振り”でスタートさせた1作目だったということで、今後の続編リリースも大いに期待される。
1_2あらためて今回受賞した盤を聴いてみると、若いころの独特な“張りつめ”感は緩み、完璧かつ更に深みを増した演奏の中に、美しいモーツァルトの旋律と暖かい弦に包まれた文字通りの「協奏」の素晴らしい世界を感じ取ることができる。
“円熟”と言うにはまだ早い内田光子さん現役バリバリの演奏。 クリーブランド管弦楽団との収録では、モーツァルト自身のピアノ協奏曲作家としての円熟度が飛躍した第20番以降の作品も良いが、10番代の佳曲、とくにワタシの好きな第13番ハ長調協奏曲をぜひ聴いてみたい。

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コメント

zapさん、たびたび失礼仕ります。m(_ _)m

内田光子さんの実演に接したのは、これまでたったの2回きり、最初はサントリーホール開場シリーズの一環で、ジェフリー・テイト指揮イギリス室内管弦楽団との共演(競演?)でした。1987年3月3日。自分自身の不遇な時期でしたので、日まで憶えています。(^^;;;
曲はモーツァルトの協奏曲第11番、弾いてない時の表情は(顔の表情のことですが)弾き振りそのままでした。右手が左肘を、左手が右肘を抑えるように腕を組んで、思わず指揮し出すのを懸命に押しとどめているような感じでした。それから十数年後の、カメラータ・ザルツブルクとの弾き振りはまさにその表情、全身を解き放って存分に弾き、振っている感じでした。
クリーヴランド管弦楽団との弾き振りシリーズは、今のところまだ耳に(眼に?)していません。いずれ全曲出揃うに違いない、なんてスケベ心丸出しでその日を心待ちにしているんですがね。
それにしても、この人のピアノのほの暗い響きは、何だか調律が平均律ではないのでは、という感じがしてなりません。
と、思って、改めてネットで検索してみたら、それらしきことを書いているサイトもあるようです。但し、真偽の程は定かではありませんが。

投稿: 赤壁周庵 | 2011.02.20 20:18

周庵先生、まいどおおきに。

平均律ではない、というのはどういうことでせうか?不勉強でわかりませんです(;´д`)
ほの暗い響きに聞こえるのは、「そのように弾いているから」、かも知れませんね。ピアノのメーカーにも因るのでしょうか。
「ドイツ系」と「オーストリア系」の響きの差もあるように思います。

zap

投稿: zap | 2011.02.24 22:04

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