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2010.01.09

日本最低の、分水嶺。

12雨水を太平洋側と日本海側に分ける分水嶺。日本列島の端から端までを一本の線で結ぶ5000㎞にもおよぶ長大な稜線だ。
ワタシは昔から、この分水嶺という言葉の響きが好きで、普段は簡単に到達することができないような深山を想像したりするのだが、兵庫の内陸に海抜100mにも達しない「日本一低い分水嶺」があるということを知り、正月休みに独りブラリ旅をした。

2_2尼崎からJR福知山線に乗って2時間弱のところに目的地近くの石生(いそう)駅がある。かつてはSLが活躍していたこの線も電化されて久しいが、駅は今にもSL列車がゆっくりと入線して来そうなレトロな雰囲気。お目当ての分水エリアは駅から歩いて10分ほどの場所にあった。
分水嶺と言っても人の近づけないような山奥ではなく、幹線自動車道が通り、民家が軒を連ねる普通の街だ。なのでその呼び名も「嶺」ではなく、「分水界」と言うらしい。
この丹波の街中に1㎞ほど伸びる日本一低所の分水嶺があり、それにほぼ沿うかたちで小川が流れているのだが、途中で左に分かれた水流は約70㎞南の瀬戸内海へ、右へ行く流れは約70㎞北の日本海へと降りて行く。
付近には分水嶺にちなんだ「水分れ(みわかれ)」という地名も付けられ、そばに日本最低所を記念した「水分れ公園」も造られている。
Photo_2面白いのは、ちょうど分流ライン上に建つ料亭旅館「大和」。その屋根のそれぞれの斜面に降る雨が一方は加古川経由で太平洋へ、他方が由良川を経て日本海へと流れて行くとか。
また、これはもちろん仮説だが、もしも日本の海面水位が100m上昇すると、この付近を境にして本州が二つの島に分断されることになるという、少しSFっぽいネタも提供してくれる。
低い標高で日本海側と瀬戸内を結ぶこの一帯は「氷上回廊」と呼ばれ、古くから動植物や文化が南北に行き交い、このエリア独特の歴史や生態系がつくられているんだそうだ。

5_27_2分水エリア近くの山へ少し分け入ると、そこには美しい杉の森林が広がり、いたる所で湧き水が流れ出ている。日本のどこにでもありそうなひっそりとした風景だが、兵庫の内陸にある興味深い場所で、新年の鋭気を得ることができた一日だった。

3■分水界上を
流れる小川が
日本海側と
瀬戸内海側へ分岐する

4_2■分水エリア
付近にある
杉の杜


6■下界から1時間ほど
登った場所にある
分水エリアを見渡す
展望所

81_2■日本最低所の
分水エリア。
小川の横にある道が分水ラインになる。
道沿いの料亭旅館「大和」は
分水ラインの真上に建つ

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