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2009.11.29

仕分けの、効能。

Photo「スーパーコンピュータ」という言葉がまだ馴染みの薄かった1980年代。コンピュータメーカーの宣伝部で仕事をしていたワタシは、当時まだ登場したばかりのスーパーコンピュータのカタログやら事例を紹介するPR誌の制作に関わっていた。
当時はまだパソコンもWindowsが出たてで、インターネットなんてまだまだの頃。企業が使うコンピューターと言えば大型のものが主流で価格もン億円。スパコンに至っては、大抵は先端研究をやっている公的機関か、企業でも余程の投資力のある会社の導入に限られていたように思う。
ただ、この世界。技術の進歩は文字どおり日進月歩で、スパコンの処理能力は、諸外国との競争も拍車をかけて、当時とは比べ物にならないほどハイスピードになった。これは、とりもなおさず、コンピュータのハイスピード化が、世の中をより良くするための基礎技術として、常に重要だということが根底にあるからだろう。
今回の新政権のメダマである行政刷新会議による「事業仕分け」で「予算縮減」と判定された次世代スーパーコンピュータの開発予算。ノーベル賞受賞の高名な学者さんらや帝国大学の全学長さんが一堂に会してそのプロジェクトを含む学術振興予算の復活を鳩山さんに直訴したことは、その光景の異様さはさておいて、予算取り下げの悪影響を理解する上で充分な効果があったように感じた。従来、仕分けと称する作業自体、一部の政治家や役人に閉じた場所で行なわれてきたことの変革の意義を、ラチ外にいた国民に判りやすく伝える効果は絶大だったように思う。
ワタシの勤める会社は今では唯一日本でスパコンを作る企業なので、その意味でもスパコン予算復活を歓迎したいが、そんな会社で仕事をしていても、昨今のスパコンに求められる性能向上にどんな価値があるのか、よく判っていなかった。

昔担当していたスパコンPR誌の名前についてのちょっとした騒ぎを思い出す。創刊PR誌の名前は「FLOPS(フロップス)」。語源はコンピュータの処理能力を表す単位で、ある計算を1秒間に何回実行できるかを示す「floating-point operations per second」だ。ところが、ある英語通の人からこんな指摘があった。「FLOPという言葉は英語で“失敗”を現す俗語。それに『s』が付くと、さしづめ『失敗集』ですよ!」。
驚いた我々はスグに誌名を変更するのだが、その時のスパコン開発を担当する幹部のコメントが妙に印象に残った。
「スーパーコンピュータの開発や活用に失敗はつきものだからこの誌名はピッタリ!それを越えていくところに常に進歩があるんですよ」。

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