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2009.08.23

モーツアルトの、新譜。

Photo35年の生涯で600を超える楽曲を遺したモーツアルトは、鍵盤楽器の名手でもあったことで、その作品群のかなめをなすピアノ曲はいずれも佳曲ぞろいだ。
27曲のピアノ協奏曲はもちろん、18曲のソナタを中心とする鍵盤楽器向けの独奏曲作品は、作曲者の天才性をダイレクトに感じ取ることのできる素晴らしい楽曲ばかりだと思う。

この8月上旬に、そのモーツアルトが幼年時代に作曲したとされる“新譜”が見つかったとの面白いニュースが報じられた。これは、彼の父レオポルト・モーツアルトが、5歳年上の姉マリアのピアノ練習用に作った楽譜集「ナンネルの練習帳」に収録されていた2曲をモーツアルト5歳頃の作品としてモーツアルテウム財団が発表したもの。
同財団が、なんとモーツアルト自身が愛用していたピアノフォルテでこの新曲を演奏し、ホームページで公開している。
聴いてみれば、幼年期とは言え天才アマデウス少年の作品。協奏曲の楽章向けのやや長めの1曲と、短いプレリュードは、曲の構成上の未熟さがあり、習作の域をでないものなのかも知れないが、神童の才腕を彷彿とさせる愛すべきサウンドのように思えた。

この“新曲”に触発されて、長いこと聴いていなかったアリシア・デ・ラローチャのモーツアルトピアノソナタ全集を携帯プレーヤーに落としてヒマさえあれば聴いている。
ピリスほどの硬さはなく、ハスキルほどの柔らかさもなく、内田光子ほどの緊張感もなく、ヘブラーほどのおっとり感もない、明るく懐深い大人のモーツアルト。

あるピアニストが口にした言葉に、モーツアルトのピアノ曲を弾くことは子供には簡単過ぎて、大人には難し過ぎる、というのがあった。技巧的に高度な技術を要求するピアノ曲はモーツアルト作品には多くはないのだそうだが、多くの難曲を弾き溜めたベテランピアニストよりも、“邪念”から縁遠い子供のほうが、その再現は容易なのだとか。

件の“新曲”にはいずれ最初期のケッヘルナンバーが割り振られるのだろうが、長老ラローチャおばさんの演奏で聴いてみたくなった。

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コメント

zapさん、またまたこんばんは。
ラローチャさんは、何年か前にさよならツアーをして引退した筈なので(日本では2003年5月だったそうです-そんな昔だったのか)新譜はムリなような気がします。それとも、この曲を弾くために復帰するかも知れんなあ。しないか。

投稿: 赤壁周庵 | 2009.08.24 19:30

おおっ赤壁周庵さん。
たびたびのご来訪、感謝です。

そーですね。ラローチャさんは既に引退されているようで。残念。
で、こんどはピリスさんを聴いてみます。

投稿: zap | 2009.08.30 12:53

zapさん、こんばんは。あるいはきわめておはようございます。
アリシア・デ・ラローチャさんは、去る9月25日、バルセロナの病院でお亡くなりになったそうです。
昨日、レコ芸を眺めていてやっと気がついたような次第で・・・
遅まきながら、ご冥福をお祈りします。
(そういえばいつの頃からか、テレビラジオの訃報の最後に「ご冥福をお祈りします」と云わなくなりましたですね。いつもとっても不自然に感じています。)

投稿: 赤壁周庵 | 2009.11.02 01:27

赤壁周庵先生。

ラローチャ死去のニュースは、9月27日の朝日新聞夕刊に写真入りで掲載されていました。
それによると、6歳で初リサイタル:2003年に引退とあり、75年近く活動していたことになりますね。

大物と言えばブレンデルも引退してまい、巨匠と言えるピアニストがほんとに少なくなった感じで寂しい限り。

投稿: zap | 2009.11.03 12:34

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