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2009.01.12

この広告が、スゴイ。

P1000959ワタシは毎年成人の日に朝日新聞に掲載されるこの広告が大好きだ。サントリーの『新成人おめでとう』と題する全7段広告。伊集院静氏の新成人向けのシンプルなメッセージだが、じつに味わい深い。一流の作家だからあたりまえと言ってしまえばそれまでだが、このひとの筆致には常人には到達できそうにない凄味がある。
このサントリーの広告は、新成人向けに成人の日に、新社会人向けに4月1日に、それぞれ既に20年以上掲載が続いているように思うが、シリーズ広告としても秀逸だ。確か、伊集院静氏以前にはサントリー宣伝部に在籍していた開高健や山口瞳がこの広告のコピーを書いていたと記憶しているが、酒の呑み方を知っている大作家たちの手になる上質の商品広告、いや企業広告を発信し続けるサントリーという会社のレベルの高さをあらためて知る。この広告にあえて一点だけ注文をつけるとすると、20歳の若者に「シングルモルト山崎12年」は相応しくない。一番似合いそうなのは「角」でしょうか。

さて、この今朝の朝日新聞に掲載された広告。モンダイは承知のうえでそのコピーを以下“引用”させていただきます。
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新成人おめでとう。
君は今日どこで二十歳の日を迎えただろうか。社会は君を今日から大人と呼ぶ。しかし君が知るとおり、今、日本も、世界も歴史にない不況に直面している。その原因はこころない大人が金を得ることを人生のすべてと考えたからだ。金があれば何でも手に入ると卑しいこころを抱いたのだ。自分だけが裕福ならいいとしたのだ。その大人たちの大半は先進国で最高の学問を修得した人たちだ。なぜこんなことが起きたのか。それは人が生きる上で何が一番大切かを学ばなかったからだ。若い時に裕福に目が向き貧困を見なかったのだ。日本は大国なんかじゃない。ちいさな国の、君は小さな存在だ。しかし君の未来は、時間は、可能性は限りなく大きい。家族や友を想う気持ちは素晴らしいことだ。世界を見よう。真実を知ろう。君と同じように他人のことを自分のことと考えられる大勢の若者がいる。自分だけが、日本だけがよければではいけないことを学ぼう。さあ外へ出よう。世界を見よう。真実を知ろう。歩き疲れたら一杯のウイスキーでこころを休めて、また歩き出そう。二十歳の君に乾杯。
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これは、たんに新成人にだけ向けたショートエッセイなどではない。若い日のこころざしを忘れかけてしまったような、ワレワレ前期高齢者にも大いに響く、深いメッセージだ。

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