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2008.06.14

鎮魂、秋葉原。

Photo『この場所で無差別殺人事件が発生しました。目撃された方は御連絡ください。万世橋警察署』 こんな立て看板が道端に立っていた。歩行者天国で7人が殺害された事件のあった秋葉原。そんな看板がさらりと立て掛けられていることの異様さ。アキバというゾーンが放つどこか普通ではない空気に、ある意味“フィット”して見えてくるから恐ろしい。アキバへ行けば、他では得られない満足が手に入れられる。アキバであれば、多少のハレンチな振る舞いも世間は受け流してくれる。そんな秋葉原の「魔力」と、今回の事件がココで発生したこととは無関係でないように思える。あるいはこの、アニメ・ゲーム文化の聖地は、それ自体がなんでもアリ、のゲーム・フィールド化しているのかも知れない。いずれにしても、そこに集う人間が街の魅力と一体となり、言わばアキバ系トランス状態を創りだす。その延長線上に、今回の自暴自棄テロ行為が位置づいているように思える。

Photo_2プラモデルやラジオの組み立てに没頭していた小学生の頃、毎月愛読していた『模型とラジオ』という雑誌。ここに掲載されたラジオの実態配線図に記載された部品たちは、東京広しといえども秋葉原でしか手に入れることはできなかった。3本足のトランジスタ、ダイオードやら抵抗器、コンデンサーやバリコン、トランス等々。何の役に立つのか見当もつかない部品やら道具、機材の類を含め店中が埋め尽くされている。そんなモノをせっせと作る人がいて、必要とする人がこの世のどこかにいるということを思うと、それをつなぐこの街の奥深さを感じずにはいられない。ここでしか手に入れることのできないモノがごく普通に売られているという文化。商品の主役が電気製品や電子部品類からパソコンを経てゲームやアニメといったサブカルチャー系へと移っても、このアキバ文化そのものは連綿と受け継がれ、『世界の秋葉原』の地位を保っている。

Photo_3事件のあった翌々日の夕暮れ、現場付近では急ごしらえの祭壇に多くの花束と供物が山と積まれる。楽しい生活を営むために訪れたであろう多くの人々の死に場所となった秋葉原。ガード下の部品店では、数知れぬ種類の電子部品が昔と変わることない風情で山盛りとなって売られている。その光景が、誰彼となく持ち寄り積まれた花束の山に何故か重なった。不慮の死を遂げた人達の魂が少しでも鎮まることを祈るのみ。

【写真上から】
■昔と変わらぬガード下の部品店
■急ごしらえの祭壇では祈る姿が後を絶たない
■こんな異様な看板が・・・

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コメント

zapさん、まいどです。
被害者のあれこれをあげつらった週刊誌の記事に嫁さんが憤っていたので、読むヤツ買うヤツがいるから書くというだけの話だと返事しておきましたが(もっとも、よくある話で私も嫁さんもくだんの週刊誌の新聞広告しか見てませんけど)、どうにも度し難いほどのスキャンダル好きのようです、わしら世間の人間は。

投稿: 赤壁周庵 | 2008.06.16 03:09

赤壁周庵さん
今回の事件に対して、週刊誌も新聞も、なぜ起きたのかという素朴な疑問にはギブアップするしかないのでしょう。だから被害者のことを書くしかないのかも知れません。スキャンダル、と言うにはあまりに不条理だなと。

投稿: zap | 2008.06.16 22:07

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