« 茄子おやじでカレーを食す。 | トップページ | ウメとサクラのあいだに。 »

2007.03.11

漢字使用差し止め請求。

Imgp4522最近「おふくろさん騒動」がマスコミに採り上げられている。
歌手の森進一サンが、その定番曲「おふくろさん」に、同曲を作詞した川内康範氏の手に因らないヴァース(唄本体の前に置かれる序奏セリフ)を30年にも渡って勝手に付け加えて唄っており、これは川内氏の所有する著作権の侵害にあたる、と言うのだ。日本音楽著作権協会(JASRAC)も、森サンの歌唱は歌詞の改変にあたり、利用つまり改変バージョンを唄うことは認められないとする見解を発表するという、異例の事態となった。

ワタシは森進一ファンでもないし「おふくろさん」という曲を意識して聴いたこともないが、NHK紅白でも堂々と唄われてきたこの改変バージョンは、きっと、森進一サン当人やそのファンにしてみれば、元唄に、より一層磨きの掛かったアップバージョンとして自然に認知・支持されてきたのだろう。
この一件。心情的には「いまさら何故・・・」と困惑する森サンに同情できるし、改変版を聴いて感動するファンが大勢いるのであれば、それはそれで良いこと、と正直思う。が一方で、90歳にも垂んとする作詞家・川内サンの主張レベルは違っていた。曰く、国を滅ぼし兼ねない日本人の倫理観や道徳観の欠如に警鐘を鳴らした、と。
大衆芸能の世界で日常的に行なわれているレベルの真似事やら改変の類に、大上段振りかざしたツッコミを入れるのは大人気なくも映り、如何なものかという気もするが、川内康範御大の憤懣の本質を追求することは、それはそれで意味あることなのかも知れない。

確かにワレワレ日本人には、太古の昔から人さまの創ったものを何の抵抗や衒いもなく採り入れては改変し、都合の良いように編集し直してワガモノのように使ってきた歴史がある。
編集工学者・松岡正剛氏は最近のコラムで『日本には異文化を併存させて編集し直すという独自文化が存在する』と主張していた。日本文化は、異質なものと出会うとその変換を試み、編集し、新たな文化装置のなかで鍛えてきた。これは日本独自の文化編集能力だ、と言う。異なる特色を持つ現象や機能を横に並べて併存させ、「アワセ、カサネ、キソイ、ソロエ」という日本的編集方法が確立してきた、んだそうだ。

日本文化の形成プロセスを『編集』という視点で捉えた松岡氏の独自性も面白い。が、日本人自身が気づかないほど過去から連綿かつ淡々と実行してきた異文化の取り込みとその編集作業は、オリジナルの持つ価値をより高め、人々により受け入れられるようにするための、日本独自の自然な流儀に基づく行為であり、それ自体が立派な文化だと言えまいか。

仮に中国が、ある日突然日本に対して、過去数千年に遡って漢字の著作権使用料を請求してきたら日本はどうしたらよいか。無論、荒唐無稽なハナシだが、「いまさら何故・・・」と困惑して見せるよりも、日本独自の編集文化を楯に、国を滅ぼし兼ねないそんなイチャモンと千年ぐらい争ったら、それはそれで面白いだろうナ、なんて思った。

|

« 茄子おやじでカレーを食す。 | トップページ | ウメとサクラのあいだに。 »

コメント

漢字について

 中華文明とは漢字を使用し文化を蛮地に伝えた道具とちゃいますか?日本も例外ではなく、飛鳥,奈良時代は特に中華文明の影響を強く受けました。

私の故郷の北河内郡大字招堤村の近くに、和邇博士の碑があります。古事記によれば、彼が千字文と論語10篇を日本に伝えたと言う。その後、カタカナ、ひらがなを発明しやまと言葉の発音を漢字とうまく組み合わせ文明を築いた。
 漢字の著作権を探るのは難しいやろね、白川先生ももうこの世におられないからな~~~。元々は甲骨文字やとすると、遊牧民の文字やから、漢民族ではないのと違いますかね?

投稿: jo | 2007.03.12 14:00

難しい事は良くわかりませんが。

>確かにワレワレ日本人には、太古の昔から人さまの創ったものを何の抵抗や衒いもなく採り入れては改変し、都合の良いように編集し直してワガモノのように使ってきた歴史がある。

こんな内容の事、中学校の教科書に載っていたのを思い出しました。
確か「日本文化の雑多性」みたいなタイトルだったかな?
どんな授業内容だったかは全く覚えてないけれど、今の社会の中で??とぶち当たる時これを思い出すのです。


ところで 画像に写ってるおじさんのエプロン 藍色で渋い!とクリックしてみたらスヌーピーなんですね。おじさんとスヌーピー やはり渋い取り合わせです。かく言うおばさんもスヌーピー党です。

投稿: えしゃれっと | 2007.03.13 18:52

序奏セリフ部分は違う作詞家の曲なので『おふくろさんへの思い』とでもタイトルを付けてJASRACに申請するべきなのだ。紅白ではおふくろさんへの思い』と『おふくろさん』のメドレーでそれぞれの作詞・作曲者・曲名をテロップで流せばなんの問題もない。今回の問題は『おふくろさん』にしか注目されていないが、序奏セリフの作詞者にはなんの印税の権利も発生していない。こちらのほうが失礼な話だと思うのだけれども... 誰も気にしていない。

投稿: Music City | 2007.03.15 22:00

joさん。
漢字は殆どが象形文字なんですよね。いまだに象形文字を日常的に使っているというのも面白いです。昔の日本人が中国からせっせと漢字を採り入れていたころは、まるで昨今、ワケの判らない外来の新しいIT用語やらをイキがって使おうとしている人と同じような気分だったんでしょうね。日本人はやっぱり昔も今も変わらんですね。

えしゃれっとさん。
この写真は、先週神戸へ所用で行ったときに、元町で撮ったスナップです。神戸の街では、若い女性とオジサンがお洒落です。スヌーピーエプロンも、おやじが東京の都心でつけて歩いていたら、少し退くけど、神戸なら何故かOKです。

Music Cityさん。
むむっ。懐かしいMusicCity。今は昔。。
今回の事件で腑に落ちないのは、何故30年以上も権利者が黙って放置していたのか、という点です。
楽曲の著作権に時効ってないんでしょうかね? モノの本によれば、平穏かつ公然と他人のモノを占有した者は、その占有開始時に、善意でありかつ過失が無かったときは10年で、善意でなく、過失があっても20年で、所有権の取得時効が成立する、とあります。

投稿: zap | 2007.03.16 00:38

YouTube『おふくろさん』保富庚午氏の作とされる歌詞を付加したバージョン映像
http://youtube.com/watch?v=vOyRGDrcBsU

付加したバージョンの歌詞:

いつも心配かけてばかり いけない息子の僕でした
今ではできないことだけど  叱ってほしいいよもう一度

セリフとマスコミは書いているが、間違いなく唄である。

おふくろさんの歌詞:
http://www.fukuchan.ac/music/j-sengo2/ofukurosan.html

お前もいつかは 世の中の 傘になれよと 教えてくれた...

川内康範氏は亡き母の教えである「無償の愛」「普遍の愛」を、小説やシナリオとともに、作家として可能な限り込めた心骨である。あきらかに付加したバージョンの歌詞とは志が異なる。
川内康範氏が主張するところでは約10年前に歌詞を改変するなと注意した。やめたと思っていたが紅白のビデオでまだ唄っている事を知り説明を求めた。話し合いは「当日は血圧が180以上あり行けなくなった」と一方的に担当者の電話でキャンセルされた。
付加したバージョン『おふくろさん』は77年3月の大阪公演から登場。既に他界した作詞家の保富康午さんと作曲家の猪俣公章さんが制作。森は渡辺プロダクション在籍中で、川内氏に報告がないままセリフが付け足されたことに「大きな事務所にいたのでスタッフがやってくれていると思っていた」と自身に責任がないことを強調。森進一はいっさい直接この件で川内康範と話はしていない。さらに「あの歌は自分で言うのも何ですが“森進一のおふくろさん”になっていますからねえ」など軽卒な発言もある。アポなし青森実家謝罪も、マスコミリークで取材させている。三文芝居と思われてる行動をとっている。

「もうイヤだ。歌は人の心を運ぶ舟。その舟がこんなことではダメだ。志ないものに僕の歌を歌ってほしくない」

御年87歳でボケ、思い込み、勘違い等あるだろうが... 30年以上も唄って傘を理解していない森に怒る気持ちはわかる。このクソじじいは月光仮面だ。側にいたくはないが、こんな分からず屋のジジイは好きだ。

告ぐ!! 吾が真実、無償の愛は何があっても変わりなし!!
拙宅は「無断侵入禁止」の札をかかげおるにもかかわらず侵入し、何やらみやげ物を置いて行った品物の一切は本日、森事務所に宅便にて返送しました。これが私の返事です。
それでもまだ森進一の三文芝居の片棒をかつぐ一部マスコミとの面談は拒絶します。
このホテルに宿泊している方々の安息まで
邪魔しないことを望みます。「惜、無上道」   川内康範

傘になれよと... あなたの言葉忘れていました。
花のこころの 潔ぎよさ強く生きていきます。

とでも... 唄えば解決するかもしれない。まだ川内氏は森を諦めていないようだ... たぶん

JASRAC「おふくろさん」のご利用について
http://www.jasrac.or.jp/release/07/03_2.html


3曲の子守唄を同時に唄った、私の好きな唄です。
http://youtube.com/watch?v=j_r-Q1u6PDk

投稿: Music City | 2007.03.16 10:04

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 漢字使用差し止め請求。:

« 茄子おやじでカレーを食す。 | トップページ | ウメとサクラのあいだに。 »