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2007.02.11

20年以上待っていた本。

大袈裟ではなく、ワタシはこの本が出るのを20年以上待っていた。
もちろん、忘れている期間も長いのだが、街のラーメン店で『ビッグコミックスピリッツ』を見付けるたび、連載が続いていることを確認しては、単行本のリリースを望む気持ちが蘇る。

気まぐれコンセプト クロニクル。

2~3週間前の日経新聞夕刊に掲載の書籍ベストセラー・ランキングにその名前を見付け、即日ネット書店bk-1で注文。この、1000ページ近くもあるずっしり分厚い本を翌日受け取ったとき、殆ど小躍り(昔風)してしまった。(ついでに、世の中ベンリになった、と思う・・・)

『気まぐれコンセプト』は、日本がバブル経済突入前の1981年から小学館の週刊誌『ビッグコミックスピリッツ』に連載され、四半世紀以上を経た今も続く、ホイチョイ・プロダクションズの手による4コママンガだ。広告業界という、言わばバブルを象徴する世界で起こっては消えて行くイベントや流行りごと、事件を、ギャグネタとして粋に採り上げた作品として、実によくデキたマンガだと思う。
前書きにもあるのだが、同書は80年代初めからこれまでの25年以上の間、つまりバブル前夜から始まり、バブル絶頂、バブル崩壊、不況の90年代、ネットとケータイの普及、そして景気回復の2006年へと続く、疾風怒濤の四半世紀の、日本人の日常生活を覗くタイムマシンともなっている。
笑いや洒落のセンスも、この10年、20年で随分進化・変容してきたように思える。物事に流行り廃りがあるように、何でコレが可笑しいの? と思わせるようなエピソードもしばしば登場するのだが、このこと自体ニンゲンの“気まぐれ”を表しているようでいて面白い。

ホイチョイ・プロダクションズ代表で『気まぐれコンセプト』を発信し続ける馬場康夫氏は、映画監督としても時代の先端を行く作品を世に送り出してきたクリエーターだ。ワタシ自身、スキーに凝り倒していた丁度その頃の1987年に公開された『私をスキーに連れてって』は、今でこそ「なんじゃコレ」的ネタ連発の映画かも知れないが、当時の流行を、田中康夫サン風に言えば“fad”つまり「流行る兆し」ネタを巧みにストーリーに採り入れた作品として、若者達の絶大な支持を得た。事実、スキーそのものだけではなく、当時は夢の機械だったケータイ電話や小型無線機、4WD自動車やらスタッドレスタイヤ、防水カメラなど、随所に登場する憧れのアイテムは、その後この映画が切っ掛けとなり、田中康夫サン風に言えば“トラッド”化、いわゆる定番商品となったのもばかりだ。

一去年末公開されて大ヒットした映画『ALWAYS 三丁目の夕日』や、そこに登場の薬師丸ひろこサンが同じく主演した山田洋次監督作品『ダウンタウン・ヒーローズ』(1987年)。とくに映画マニアではないワタシが幾度となく見返したそれら作品に共通するのは「作られた時代風景」。それはそれで映画世界共通の良さだと思うが、馬場康夫サンの放つ映画やマンガ、著作物に登場するシーンやらエピソードには、常に半歩先を見据えながら「その時代」をストレートに表現した、言わばコンテンポラリー感が随所に踊っているように思え、これもコンテンツ作品の本来的な在り方として大いに支持したい。

Dscn1918馬場氏がH製作所宣伝部に在籍していた頃、同じくデンキ会社の宣伝部員だったワタシは、公共展示会の出展社会議で同氏と名刺交換をした記憶があるが、今回出版された『気まぐれコンセプト クロニクル』。H製作所が協賛し、昨日から公開されている馬場康夫氏監督映画『バブルへGO!! タイムマシンはドラム式』とのタイアップでもあるらしい。メディアミックスが功奏し、往時同様のインパクトをどこまで与えることができるか、注目。

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