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2006.09.10

オークション。

Img062_2たまにヤフーのオークションで遊ぶことがある。ワタシは無論マニアではないが、最近仕事上の調べ事で知った『ロングテール』を地で行くオークションの世界を垣間見たいと思ったのが、ヤフオクお試しのキッカケのひとつだ。

ロングテール。恐竜のシッポの細長い部分を譬えたこの言葉は、いわゆる死に筋商品、つまり需要が少ないため普段店舗では扱われない物品群を象徴する言葉として、最近しばしばメディアに登場する。ネット販売の興隆以前。物品販売の一般的な傾向として、売れる商品と売れない商品の構成は「80:20の法則」(パレートの法則)というルールに従う比率にほぼ落ち着くんだそうだ。売上の8割は全体の2割の商品が叩き出す。世のメーカーや流通業界は、この2割に入るいわゆるヒット商品を狙って市場にモノやサービスを送り出そうとする訳だが、オンライン小売店のAmazon.comでは、ここで言う死に筋商品が売り上げ全体の6割近くを占めるに至るという、従来の商売の経験則とは異なる市場を相手にするビジネスモデルで成功を収めている。
ヤフオクが流行るのも、売り手と買い手双方の立場でまさにそのロングテールの世界を身近に堪能させてくれるからだと思う。

ワタシのヤフオクアイテムは、その昔親族から譲ってもらった昭和20年代の鉄道切符。駅の窓口で買い求め、改札口でかちかちとハサミを入れてもらう。そんな、自販機などない時代に極普通に流通していた硬券と言われる切符だ。ヤフオクでは歴としたコレクターズ・アイテムとして扱われており、今時点調べても5千数百にも上る出品がある。

Tokkyuimg050_1Imgp3340_1例えば、つい最近出品したこの硬券。「昭和29年6月14日発行の東京-神戸間特別急行券と乗車券」は、戦後復興の象徴として東海道本線を駆け抜けた特別急行「第1列車」で使用されたもので、それなりにレアモノだと思っていたモノだが、5,600 円で落札された。また、数カ月前に出品した「昭和28年 近鉄『特急なにわ3号』指定席特急券」に至っては、13件の入札を集めたのち、古い硬券1枚がナント17,500 円の高値で落ちたのには正直驚いた。一方、これはかなりの値がつくかな、と勝手に思っていた冒頭の「昭和21年 憲法発布記念 神戸市交通局 特別乗車券」は期待値よりやや低めの898 円で落札。

これら、数少ないヤフオク体験で気づいたこと。一番大きくは、件のロングテール現象とネットワーク商売の威力。自分は鉄ちゃんではありながら、切符マニアではないのだが、そんなワタシでも多少なりとも価値を感じていたモノには、世に必ずや買い手が存在する、ということだ。そしてもう一つ。普通のものの方が、特別なものより、ある意味価値が高い、という逆説的現象。
これは、鉄道切符の場合、回収される前提で発行された普通切符の方が、物理的にはレアでありながら、実際は使用されず遺棄される確率の低い記念切符よりも高値がつく、という今回のヤフオク体験で実感したことだ。

確かに、如何にもソレらしい記念品の類よりも、嘗て普通に使っていた品物に対してより多くの愛着を感じる。そんな感覚に近い作用が、市場原理にも働いているように思わせる。
いや、これは単に物品に対してだけではなく、ひょっとしてニンゲンに対する感覚にも当てはまる? なんていう詮索はかなり面白いけど、別の機会に。。

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